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2010年05月号 NUMBER 3 MYSTERY #10

Posted by HIROC on 05 24, 2010 in THE Neighbor

<今月の3つの数字>
「87%」「1707年」「34m」

このコラム「NUMBER 3 MYSTERY」では、毎回、3つの数字から紐解く、ちょっとした話題をお届けしています。ふとした世間話で話題に困ったときや、ビジネストークのきっかけに、このコラムをネタにしてもらえれば幸いです。さて、3つ数字から今回はどんな話題が転がり出るか、ちょっと想像してから読み始めてください。

「必ず起こる」大震災

2010年に入ってから、ハイチ地震やチリ地震など、世界各国での大きな地震の話題が続いています。地理的にも近く文化的にも馴染みが深い中国の四川大地震とは違って、テレビのニュースで被災地の様子が報じられても、我が事のように実感できない人も多いでしょう。なにせ、地球の裏側で起こっていることですから。しかし、私たちが暮らすこの日本列島は、世界に類を見ない地震多発地帯であることを忘れていけません。明日は我が身、全く他人事ではないのです。

政府の地震調査会が出したレポートによれば、マグニチュード8程度の巨大地震が今後30年以内に発生する確率は87%。これはほぼ間違いなく起こる、と考えざるを得ない数字です。家屋の倒壊、失われる人命、交通機関やライフラインの寸断、届かない救援物資、乱れる治安。ニュースで報じられている被災状況は、今日の私たちの目の前で起こっても不思議ではないのです。そしてその後、長期渡ってに続く復興のための経済的損失も計算に入れれば、計り知れないほどのダメージを受けることになります。

海からやってくる脅威

特に気をつけなければならないのは、地震直後に訪れる津波の被害です。海に囲まれた日本列島は、海中が震源となる地震が多いからです。記録に残っている日本最大の地震は、マグニチュード8.6と推定される1707年に起こった「宝永地震」と言われています。宝永地震は、今で言うところの「東海地震」と「東南海・南海地震」が同時起こったという巨大地震で、中部地方を始め、近畿、四国、九州という広い範囲が被災しました。さらに、地震の49日後に富士山まで噴火したのですから、天変地異そのものです。

宝永地震では、家屋の倒壊などによる被害よりも、津波の被害が大きかった点が特徴的です。大きいところでは10mを超える大津波が襲来し、約29000戸の家屋が倒壊・流出し、一説には2万人を超える人が亡くなったと言われています。もし、現在の日本に同様の巨大な地震と津波が起これば、もっと大きな被害が出るであろことが容易に想像できます。テレビで放送されている津波警報があれほどしつこいのには理由があるのです。

「TSUNAMI」は世界の言葉

実際、揺れを直接感じる地震に比べると、津波は明らかに軽視されています。2010年2月に起こったチリ大地震の際、日本の太平洋岸の広い範囲に大津波警報が発令した際には、警報が解除される前に住民が帰宅してしまったことが大きな問題になりました。津波の怖さは実感するのが難しいのです。2004年12月のスマトラ島沖地震で起こった津波は、高いところでは34mにも達したといわれています。そして、少なくとも20万人が死亡した大惨事です。これは、津波に対して知識も備えもなかった地域に、これほど大きな津波が押し寄せたから起きた悲劇といえるでしょう。

日本が先進的に進める津波の観測・予測技術の発達は非常に重要です。しかし、津波で最も大事なことは、すぐに高いところに避難するという、テクノロジーとは正反対の「原始的な対処」です。「TSUNAMI(ツナミ)」は世界で通じる日本発の言葉です。地震が多く海に囲まれた国に住む、私たち日本人こそが、津波の脅威を常に忘れることなく、世界の人々の模範になりたいものです。

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